船舶製図工ってどんな仕事?

船舶製図工は、船の設計図を描く専門職です。見た目には派手さがなくても、海を走る大型船舶やフェリー、貨物船の安全性や性能を左右する重要な役割を担っています。主にCADソフトを使って構造や配管、設備のレイアウトを描き、設計者や現場と連携を取りながら図面を仕上げていきます。実際のものづくりに直結する、緻密で奥深い仕事です。

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ステップアップの流れ

入社後

まず設計図の読み方やCADソフトの基本操作、船舶構造の基礎知識を習得しながら、先輩のサポート業務を通じて業務の全体像に触れていきます。最初の段階では、小型部品やシンプルな構造の図面作成を担当し、正確さとスピードを両立させる訓練を重ねます。

入社1〜2年目

次第に複雑な船体構造や配管・電装関連の製図へと業務範囲が広がり、工場との連携や工程管理にも関わるようになります。現場の声を反映させた設計力を養うことで、図面に込める意図が明確になり、造船現場との信頼関係も構築されていきます。

入社後3年〜

さらに経験を積むことで、仕様書作成やクライアントとの打ち合わせなど、より上流の業務にも携われるようになり、船舶製図工としての幅が広がります。将来的には、チームを取りまとめる立場として、後進の育成や品質管理などにも活躍の場が生まれます。

船舶製図工のあれこれ

船舶製図工は、船を設計図という形で「見える化」する専門職です。実際の造船作業の前に、構造・装備・配管・電装などの詳細を図面で正確に表現し、建造工程の土台を築きます。海上での安全性や機能性を担保するうえで欠かせない役割を担っており、現場の技術者とも連携しながら、設計の意図を形にしていきます。熟練の知識と繊細な作業が求められる仕事ですが、自分の描いた図面が大型船舶として海に出る瞬間は、大きなやりがいと誇りにつながります。

造船

案外未経験でも挑戦できる!?

船舶製図工というと、専門的な知識や技術が必要でハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。しかし実際には、未経験からのスタートであっても挑戦しやすい職種のひとつです。図面作成に必要なソフトの操作や専門知識は、入社後に先輩社員の指導のもと、段階的に習得していくことができます。むしろ、ものづくりや船に興味があるという気持ちのほうが大切にされる現場です。初めは補助業務からスタートし、実務を通じて理解を深めながら、徐々に複雑な設計に挑む流れが整っています。

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船舶製図工として働くやりがい

船舶製図工として働く魅力は、図面がそのまま壮大な船体として形になる瞬間にあります。自らが描いた設計が造船現場で立体化され、海を渡る船として活躍する姿は、他の仕事ではなかなか得られない達成感をもたらします。細部まで緻密に考え抜かれた設計図は、船の性能や安全性に直結するため、責任感とともに誇りを持って取り組める仕事です。また、最新の設計ツールや技術にも触れられる環境で、自身のスキルを高めていける点も大きなやりがいとなっています。

作業員